【暮らしが変わる家事ストーリー 第12回】家にいるのに、家事ができない。そんな罪悪感から解放された日

在宅勤務が増えたことで、通勤時間がなくなり、以前よりも時間に余裕ができる。
最初は、そう思っていたそうです。

朝の満員電車もない。
帰宅時間を気にする必要もない。

自宅で仕事ができることは、とても便利に感じていました。
ところが実際に始めてみると、思っていた以上に難しかったことがあります。
それが、
「仕事と家事の切り替え」
でした。

仕事をする場所は自宅。
少し視線を動かせば、洗濯物が見えます。
キッチンに行けば、朝使った食器が残っている。
床を見ると、細かなほこりが気になる。
以前であれば、
「帰ってからやろう」
と思えたことが、在宅勤務ではずっと目の前にあります。
「家にいるのだから、少しくらいできるはず」
そんな気持ちが少しずつ大きくなっていったといいます。

昼休みに洗濯をする。
仕事の合間に食器を片付ける。
休憩時間に掃除機をかける。
最初は効率的に時間を使えているように思えました。

しかし、次第に、
「仕事をしているのか、家事をしているのか分からない」
という状態になっていきました。
仕事の途中で家事が気になり、家事をしている最中には仕事が気になる。
結果として、どちらにも完全には集中できません。
特に忙しい時期になると、その状態はさらに強くなっていきました。
パソコンに向かいながら、
「あそこを掃除しないと」
「洗濯物を取り込まないと」
と考えてしまう。
仕事が終わっても、自宅にいるため「退勤した」という感覚が薄く、そのまま家事に移る。
一日が終わる頃には、以前よりも疲れていることさえあったそうです。
「家にいるのに、どうしてこんなに余裕がないんだろう」
そう感じたことが、家事代行サービスを検討するきっかけになりました。

最初は、
「通勤していないのに、家事までお願いするのはどうなんだろう」
という迷いもあったといいます。
しかし改めて考えてみると、在宅勤務とは、
「家にいる時間が増えた」
のであって、
「自由な時間が増えた」
わけではありません。
勤務時間中は、会社にいるときと同じように仕事をしています。
そのことに気づいてから、
「家にいるのだから全部できるはず」
という考え方を少し変えることにしました。

まずお願いしたのは、週1回の掃除代行サービスでした。
リビング、仕事をしている部屋、キッチン、水回りなど、普段気になっている場所を中心に依頼。
作業中は、基本的に別の部屋で仕事を続けました。
最初は少し不思議な感覚だったそうです。
自分が家にいるのに、別の人が掃除をしている。
しかし、しばらくすると、その感覚にも慣れていきました。
そして何より大きかったのが、
「掃除のことを考えなくてもいい時間」
ができたことでした。
床のほこりが気になっても、
「今日はお願いしているから大丈夫」
と思える。
水回りが気になっても、
「あとで自分でやらなければ」
と考える必要がありません。
それだけで、仕事への集中力が大きく変わったそうです。
作業が終わった後、部屋が整っている。
仕事を続けながら、家の中までリセットされている。
その感覚は、想像していた以上に快適でした。
さらに変化したのは、仕事が終わった後の時間です。
それまではパソコンを閉じた瞬間から、
「次は家事」
という感覚でした。
しかし掃除の負担が減ったことで、仕事が終わった後に少し休憩する時間が持てるようになりました。
お茶を飲む。
散歩に出る。
夕食の準備をゆっくり始める。

ほんのわずかな時間ですが、
「仕事が終わった」
と気持ちを切り替える余裕が生まれました。
その結果、生活全体にもメリハリが出てきたそうです。
在宅勤務では、仕事と私生活が同じ場所に存在します。
そのため、自分の中で境界線をつくらなければ、二つが混ざり合ってしまうことがあります。
家事代行サービスを利用したことで、その境界線を少し作りやすくなりました。
「仕事中は仕事に集中する」
「家事は必要な部分だけお願いする」
「仕事が終わったら自分の時間に戻る」
その流れができたことが、一番の変化だったといいます。
現在も、在宅勤務の日を中心に家事代行サービスを利用されています。
利用する頻度は、そのときの仕事量や生活状況によって調整しています。
毎週必ず利用するわけではなく、
「忙しくなりそうな週」
「仕事に集中したい時期」
に利用することもあります。

家事代行サービスは、
「家事ができないから利用するもの」
ではありません。
できるけれど、今は他のことに時間や集中力を使いたい。
そんなときにも活用できます。
特に在宅勤務では、
「家にいるのだから家事もできるはず」
と考えてしまいがちです。
しかし、仕事をしている時間は、どこにいても仕事の時間です。
その時間を守るために家事の一部を外部に任せることは、決して特別なことではありません。
家事を減らしたことで仕事がしやすくなり、仕事が終わった後の時間にも余裕が生まれる。

今回のケースでは、掃除代行サービスが、
「仕事と暮らしを切り替えるための仕組み」
の一つになりました。
家にいる時間が長いからこそ、家の中を心地よく保つことは大切です。
そして、そのすべてを自分一人で担う必要はありません。
必要な部分を誰かに任せることで、仕事にも暮らしにも、少しずつ余裕が生まれていきます。
家事代行サービスは、そんな新しい働き方を支える選択肢の一つでもあるのです。

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